ロードスターのラッピング費用は、どこで決まるのか
「ロードスターをマットブラックにしたい。でもラッピング費用がいくらかかるのか、調べても40万〜80万円という幅広い相場しか出てこない」——そんな声をよくいただきます。
この記事は、マツダ ロードスター(ND ROADSTER・マシーングレープレミアムメタリック)をマットブラックへ全面ラッピングした、広島市安佐南区のしゃかりきの実際の施工記録です。曖昧な相場ではなく、ND ROADSTER がどのサイズ区分に入り、いくらになるのかを実額で公開します。

この記事でわかること
- ND ROADSTER のフルラッピング費用(当店の実額・税込)
- 見積り金額が「新車車両価格 × 車体サイズ × 施工箇所」で決まる理由
- ラッピングフィルムの本当の耐久年数(メーカー公称値の正しい読み方)
- 色を変えても運輸支局への届出は不要という、意外と知られていない事実
- カーラッピング・PPF・全塗装、どれを選ぶべきか
結論|ND ROADSTER のラッピング費用は「SSサイズ・ベーシッククラス」
まず、先に結論をお伝えします。たとえばロードスター(ND型・ソフトトップ)の場合、当店の区分ではSSサイズ・ベーシッククラスに該当します。施工費用は以下のとおりです。
| 施工箇所 | ND ROADSTER の費用(税込) | 施工期間 |
|---|---|---|
| フード(ボンネット) | 55,440円〜 | 1泊2日 |
| ルーフ | 69,300円〜 | 1泊2日 |
| フルボディー | 693,000円〜 | 約10日 |
※フルボディーは、フィルムの特性上どうしても施工できない箇所を除く全面施工です。フィルムの種類により金額は多少変動します。全車種・全サイズの価格はカーフィルム・プロテクションフィルム・カーラッピング価格表をご覧ください。
なぜロードスターは「SSサイズ」なのか|価格の決まり方を公開します
そもそも当店のカーラッピング費用は、感覚や「だいたいこのくらい」では決めていません。そのため、次の3つの掛け算で算出します。
(クラス区分)×車体サイズ
全長m × 全幅m × 全高m×施工箇所
フード/ルーフ/フルボディー
ND ROADSTER の車体サイズを実際に計算してみる
マツダ公式の主要諸元によると、ND ROADSTER のボディサイズは全長3,915mm × 全幅1,735mm × 全高1,235mmです。これをメートルに直して掛け合わせます。
ND ROADSTER のサイズ算出
3.915 m × 1.735 m × 1.235 m = 約8.39㎥
当店のSSサイズ区分は「8.5㎥未満」。ND ROADSTER は8.39㎥ですから、ぎりぎりSSサイズに収まります。国産スポーツカーの中でも最小クラスで、ここがロードスターの費用面での大きなメリットです。
ベーシッククラス(車両価格400万円未満)の価格表
ND ROADSTER の新車価格はグレードにもよりますが概ね300万円前後で、400万円未満のベーシッククラスに該当します。同じクラスでサイズが1段階上がるとどうなるか、比べてみてください。
| 車体サイズ | フード | ルーフ | フルボディー |
|---|---|---|---|
| SS(〜8.5㎥未満) =ND ROADSTER |
55,440円〜 | 69,300円〜 | 693,000円〜 |
| S(8.5〜10.5㎥未満) | 67,300円〜 | 84,200円〜 | 841,500円〜 |
| M(10.5〜12.2㎥未満) | 83,200円〜 | 104,000円〜 | 1,039,500円〜 |
| L(12.2〜14.0㎥未満) | 96,600円〜 | 120,800円〜 | 1,207,800円〜 |
つまり、SサイズとSSサイズでは、フルボディーで約15万円の差が出るということです。ロードスターは「小さいからこそ安く上がる」車種です。なお、RF(リトラクタブルハードトップ)は全高が異なるため、実車で再計算させていただきます。
一般的な相場より高く見えるかもしれません。その理由を正直に書きます
自動車メディアの取材記事では、ロードスタークラスのフルラッピングは50万円前後が相場、納期は1カ月前後と紹介されています。当店のフルボディー693,000円〜は、それより高く見えるはずです。理由は3つあります。
- 外せる部品は外して貼る。バンパー、ミラー、ランプ、モール類を可能な限り脱着し、フィルムの端を見えない裏側へ巻き込みます。貼ったまま端を切る「付けたまま施工」とは、1年後の見た目がまったく違います。
- 下地を作ってから貼る。鉄粉除去と脱脂を徹底し、塗装面のコンディションを整えてからフィルムを載せます。ここを省くと密着不良が起き、エッジから浮きます。
- ロードスターは手間のかかる車種。オープンカーゆえに幌まわり、ドア上端、リヤフェンダーの絞り込みなど、フィルムが嫌がる形状が集中しています。工期を約10日いただくのはこのためです。
もちろん、安く仕上げる方法もあります。フードとルーフだけのツートン(55,440円+69,300円=124,740円〜、1泊2日)なら、印象は大きく変わるのに費用は10分の1以下です。「全部やらない」という提案も遠慮なくさせていただきます。
ND ROADSTER をマシーングレーからマットブラックへ|実際の施工工程
さて、今回のご依頼は、マツダの看板色であるマシーングレーからの色替えでした。塗装としては非常に美しい色ですが、「もっと重厚に」「他と被らない一台に」というご要望です。
打ち合わせ・
データ作成→2
分解・
下地処理→3
貼り込み
(ヒート処理)→4
エッジ処理・
組み付け→5
最終検品
1. 打ち合わせと切り出しデータの作成
仕上がりイメージ、施工範囲、どこまで分解するかを決めます。ND ROADSTER の場合、内装の一部パネルまで同色にするかどうかで印象が変わるため、ここで方向性を固めます。
2. 分解と下地処理
脱着可能な部品を外し、ボディの汚れ・油分・鉄粉を徹底的に除去します。カーラッピングの失敗の大半は、貼る技術ではなく貼る前の工程で決まります。

3. マットブラックフィルムの貼り込み
ボンネット、フェンダー、ドア、バンパー、ルーフの順に貼り込みます。マット系のフィルムはグロス系と違い、引っ張りすぎると表面の艶感がその部分だけ変わってしまうという厄介な性質があります。ヒートガンの当て方、伸ばす方向、送り込む速度——ここが職人の腕の差が出るところです。


4. エッジ処理と組み付け
フィルムの端は、必ず見えない内側へ巻き込みます。外して貼る最大の理由がこれです。組み付け後、隙間・浮き・気泡の有無を1パネルずつ確認します。

5. 最終検品
光の角度を変えながら、フィルムの張り具合とエッジの収まりを確認。必要に応じて微調整して、お引き渡しとなります。

マット・サテン・グロス|質感の選び方
ところで、「マットブラック」と一口に言っても、質感には3つの系統があります。同じ黒でも印象はまったく違います。

マットを選ぶ際に一点だけお伝えしておきたいのは、マット面は磨けないということです。艶のある塗装なら磨いて消せる軽い擦り傷も、マットフィルムでは磨いた箇所だけ艶が出てしまいます。だからこそ、傷が付いたときはパネル単位での貼り替えが前提になります。
知っておくべき事実①|ラッピングフィルムの本当の耐久年数
ちなみに「ラッピングは何年もちますか」は最も多いご質問です。だからこそ、ここは数字で正確にお答えします。
3M公式が公表している耐候性
3Mジャパンは、ラップフィルムシリーズ2080の耐候性について「垂直方向の貼り付けで最大3年、水平方向の年数は提示しておりません」と明記しています。
つまり、ドアやフェンダーといった垂直面で最大3年。そしてボンネット・ルーフ・トランクといった水平面には、メーカーが年数を保証していないということです。
なぜルーフとボンネットから先に劣化するのか
これは非常に重要な情報です。なぜなら、水平面は紫外線と熱を真上から受け続けるため、垂直面より早く退色・艶落ち・縮みが進むからです。実際、ラッピング車で最初に劣化が目に見えるのは、ほぼ例外なくルーフとボンネットです。
色番によって寿命が変わるという事実
さらに、同じ2080シリーズでも2080-M21(マットシルバー)やBR120など一部のカラーは屋外耐候性が約1年とされ、メーカー自身が自動車外装への使用を推奨していません。「3Mだから3年もつ」ではなく、選んだ色番によって寿命が変わるのです。色決めの段階でこれをお伝えしない店があるとすれば、それは不誠実だと考えています。
素材としては、2080シリーズはポリ塩化ビニル(PVC)製で厚みは0.11〜0.18mm。加熱による再剥離が可能な設計です。当店では2〜3年での貼り替えを前提に楽しむカスタムとして、正直にご案内しています。
知っておくべき事実②|色を変えても、運輸支局への届出は不要です
ネット上には「カーラッピングで色を変えたら15日以内に変更登録が必要」という情報が今も数多く残っています。しかし、これは現行制度とは異なる古い情報です。
結論:ボディカラーの変更だけなら届出は不要
理由は単純で、現行の車検証(自動車検査証)に「車体の色」の記載欄が存在しないからです。車検証に記録されるのは自動車登録番号・車台番号・車名・型式・原動機の型式・所有者情報・使用の本拠の位置などで、ボディカラーは含まれていません。
道路運送車両法第12条が変更登録を求めているのは「型式、車台番号、原動機の型式、所有者の氏名若しくは名称若しくは住所又は使用の本拠の位置」の変更であり、車体の色はこの対象に入っていません。軽自動車も同様で、軽自動車検査協会への届出は不要です。2023年1月から導入された電子車検証でも、車体の色は記録事項に含まれていません。
ただし、保安基準で規制されている箇所はあります
とはいえ、何をしても自由というわけではありません。ボディカラーの変更は自由でも、以下は保安基準で規制されています。
- 灯火類の色:ヘッドライトは白、テールランプは赤、ウインカーは橙と厳格に定められています。ヘッドライトへのスモークフィルムは光量不足で車検不適合となる可能性が高く、当店ではお受けしていません。
- フロントガラス・運転席/助手席側ガラス:可視光線透過率70%以上が必要です(保安基準第29条)。色の濃いフィルムは貼れません。透明遮熱フィルムであればフロントにも施工可能です。
- ミラー系・クローム系フィルム:反射率の明確な数値基準は保安基準にありませんが、対向車の視界を妨げるとして検査官の判断で不適合となるケースがあります。
- ナンバープレート:塗装・カバー装着は道路運送車両法第73条違反です。
なお、色が大きく変わった場合は、念のため任意保険の契約先に一報を入れておくと、事故時の行き違いを防げます。保険料が上がることは通常ありません。
カーラッピング・PPF・全塗装|ND ROADSTER にはどれが最適か
「色を変えたい」「塗装を守りたい」——目的によって、選ぶべき手段は変わります。
| 比較項目 | カーラッピング | PPF(プロテクションフィルム) | 全塗装 |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 色・質感を変える | 塗装を守る(基本は透明) | 色を変える |
| 原状回復 | 剥がせば純正色に戻る | 剥がせば純正色に戻る | 不可 |
| 耐久の目安 | 垂直面で最大3年(3M公称) | 製品により数年〜10年クラス | 塗装次第 |
| 傷への強さ | 飛び石・洗車傷を軽減 | 自己修復機能を持つ製品あり | 磨いて補修可能 |
| ND ROADSTER の費用 | フルボディー693,000円〜 | フルボディー60万円〜(車種・難易度による) | 工法により大きく変動 |
| 売却・乗り換え時 | 剥がして純正色で売却可能 | 同左 | 査定に影響する場合あり |
「色も変えたいし、塗装も守りたい」という場合は、カラーPPFという選択肢もあります。XPEL PPFのフルカバー施工事例もあわせてご覧ください。
ROADSTER のラッピングを広島で任せていただける理由
ところで、当店のカーラッピング/PPF課を率いるのは主任の丹下萌生です。16歳からこの業界に入り、全国の有名店で修行を重ねてきました。
- 3M 4STAR 認定:最高難易度の4STARを、広島県で初めて、21歳という若さで取得。歴代最年少合格者です。
- XPEL ディーラーカンファレンス 世界24位:世界80カ国・約800名の中から選出される上位24名に、日本人として、しかも女性21歳で選出されました。
- 全日本PPF選手権 全国6位/女性部門2位:女性部門では最年少記録です。
- メルセデス・ベンツGクラス、スーパーカーの年間施工台数は広島県内No.1。XPEL PPF施工でもメーカーから県内1番の評価をいただいています。
さらに、フィルムを貼る前の下地づくりには、ディテーリング専門店として27年培ってきた塗膜の知識をそのまま使っています。累計施工台数は5万台を超えました。フィルム施工は、貼る技術と同じだけ「塗装を読む力」が要求される仕事です。
関連する施工事例
トヨタ クラウンスポーツ カーラッピング 広島|部分ラッピング施工事例
全面ではなく一部だけを貼り替えて印象を変えた事例です。「フルは予算が合わない」という方はこちらが参考になります。
カーラッピングのメニュー全体はカーラッピングのサービスページに、他車種を含めた価格は価格表ページにまとめています。
ROADSTER(ロードスター)のラッピングについてよくある質問
費用と納期について
ND ROADSTER のフルラッピング費用はいくらですか?
当店ではSSサイズ・ベーシッククラスに該当し、フルボディーで693,000円〜(税込)です。フードのみなら55,440円〜、ルーフのみなら69,300円〜。フィルムの種類やご希望の仕上げ範囲で変動しますので、正確な金額は無料お見積りでご案内します。
施工期間はどれくらいかかりますか?
フルボディーで約10日、フードまたはルーフのみであれば1泊2日が目安です。ロードスターは脱着する部品が多く、幌まわりの処理にも手間がかかるため、余裕をもった日程でお預かりしています。
車検・耐久・メンテナンスについて
マットブラックにすると車検に通らなくなりませんか?
ボディカラーの変更自体に車検上の問題はありません。現行の車検証に車体の色の記載欄がないため、運輸支局への届出も不要です。ただし灯火類の色変更やフロントガラスの可視光線透過率(70%以上)は保安基準の対象ですので、そこは基準内で施工します。
どのくらいの期間、きれいな状態を保てますか?
3Mの公称値で、垂直面(ドア・フェンダー等)が最大3年。水平面(ボンネット・ルーフ)はメーカーが年数を提示していません。保管環境と洗車頻度によりますが、2〜3年での貼り替えを前提にお考えいただくのが現実的です。屋内保管であれば、より長く保ちます。
傷が付いた場合はどうなりますか?
浅い擦り傷でも、マットフィルムは磨いて直すことができません(磨いた箇所だけ艶が出てしまうため)。そのため、パネル単位での貼り替えが基本になります。逆に言えば、下の純正塗装はフィルムが守ってくれています。
売却するときに不利になりませんか?
カーラッピングはフィルムを剥がせば純正のマシーングレーに戻せます。全塗装と違い、塗装そのものには手を加えていません。乗り換えの予定がある方ほど、ラッピングは相性の良い選択肢です。
車種・対応エリアについて
ND以外のロードスター(NA・NB・NC)でも対応できますか?
対応可能です。車体サイズとご希望の施工箇所から個別にお見積りします。旧型は塗装の経年状態によってフィルムの密着条件が変わるため、一度実車を拝見させていただけると正確なご案内ができます。
広島以外からでも依頼できますか?
はい。広島市安佐南区八木の自社工房を拠点に、広島県内全域はもちろん、中国地方・西日本一円からご依頼をいただいています。県外からのご用命も珍しくありません。
まずは無料相談・お見積りから
「ロードスターを黒で引き締めたい」「全面は予算が合わないが、ルーフだけでも変えたい」
どちらのご相談も大歓迎です。一台ごとに最適なプランをご提案します。
お電話:082-225-7355/LINE ID:@syakariki
広島市安佐南区八木4-14-7|カーコーティング・PPF・カーラッピング専門店 しゃかりき
ご相談・お見積りは無料です
参考・出典
・3Mジャパン「3M™ ラップフィルム シリーズ 2080」製品ページ(耐候性:垂直方向の貼り付けで最大3年)
・マツダ株式会社「MAZDA ROADSTER 主要諸元」(全長3,915mm×全幅1,735mm×全高1,235mm)
・行政書士法人Tree「車の色を変えたときの届出手続き|全塗装・ラッピング時の届出要否と注意点を解説」(道路運送車両法第12条、現行車検証に車体の色の記載欄なし)
・WEB CARTOP「デザインも施工も板金もできる唯一無二のカーラッピング」2025年1月(ロードスタークラスのフルラッピング相場・納期)
※価格は2026年11月時点の当店価格(税込)です。法令・保安基準の解釈は改正により変わる可能性があります。個別の手続きについては運輸支局または専門家にご確認ください。