「迷うなら“技術の証明”で選べ。SGM認定基準が示す、本当に信頼できる磨きの条件」

研磨を科学する者たちへ|第2回SGM技術者育成プログラム in 大阪 レポート

「磨き」とは、傷を消す作業だけではなく、光を設計する技術です。

第2回SGM(Scratch Shield Grand Master)技術者育成プログラム in 大阪は、

その言葉を現場レベルで体現するための、濃密な学びの場となりました。

本記事では、日本コーティング協会が掲げる研磨の新基準と、参加した技術者たちが何を学び、

何を感じたのかを、専門的かつ哲学的な視点からお伝えします。

SGM技術者育成プログラムとは何か

日本コーティング協会が掲げる“研磨の新基準”

SGM技術者育成プログラムは、一般社団法人 日本コーティング協会(JCA)が主催する、

研磨技術者のための体系的な教育プログラムです。ここでの目的は、「感覚的な磨き」から「科学的に説明できる研磨」へと進化させること

従来、“ツヤが出たかどうか”“お客様の目で見て綺麗かどうか”といった主観的な指標で評価されてきた研磨を、

  • 測色計・光沢計を用いた数値評価
  • JIS規格に基づく光沢・色差の理論
  • 塗膜厚・研磨熱・バフ目の物理的理解

といった客観的な評価軸に乗せることで、技術を「再現できる職人技」から「再現性の高い工学技術」へと押し上げていきます。

「感覚の磨き」から「科学的研磨」へのアップデート

講義では、三平方の定理や⊿E*ab(色差)の考え方、光沢度の数値化など、

一見すると“車の磨き”とは遠いように見える数学・物理・光学の基礎が扱われます。

しかし、これらはすべて「塗装面が光をどう反射し、どう見えるか」をコントロールするうえで欠かせない要素です。

“なんとなく艶が出た”ではなく、“どのレベルまで整ったのか”を説明できる技術者になることが、このプログラムのゴールです。

第2回SGM技術者育成プログラム in 大阪の全体像

座学カリキュラム:塗装・光学・測色理論のインストール

プログラム前半は、徹底した座学から始まります。塗装構造・クリア層の性質・塗膜と光の関係といった基礎から、

  • 研磨に伴う塗膜除去量とリスク管理
  • 光源の種類と傷の見え方の違い
  • 測色計・光沢計による数値管理

まで、現場でそのまま使える理論が緻密にインプットされていきます。

「なぜこの番手を選ぶのか」「なぜこのバフとコンパウンドの組み合わせなのか」

その“なぜ”を言語化・数値化していく作業こそ、SGMの大きな特徴です。

実技トレーニング:25cm四方をどう仕上げるか

後半は、実際の日産スクラッチシールド(自己補修型塗装)塗装面を使った実技トレーニングです。

限られた範囲・限られた時間の中で、参加者はそれぞれのマシンワーク・バフコントロール・液剤コントロールを駆使して「最適解」を探っていきます。

ここで問われるのは、“力技で削り取る”研磨ではなく、塗膜を守りながら、素早く綺麗に磨き、色艶を整えられるかという考え方です。

技術者同士が“共通言語”を持つことの意味

研磨に関する用語・数値・評価基準を共有することで、技術者同士の会話は「なんとなく」から「具体的」に変化します。

例えば、

  • 「この仕上がりは◯◯%(光沢度)くらいを狙いたい」
  • 「この色差なら⊿E*abがいくつ以内に収めたい」

といった具合に、感覚だけでなく科学的な共通言語で議論できるようになります。

これは、単に“うまく磨けたかどうか”ではなく、業界全体の底上げにつながる非常に重要なポイントです。

研磨技術者に求められる“倫理と哲学”

オーナーの財産を預かる“専門職としての責任”

自動車の塗装は、オーナーの財産であり、取り返しのつかない一度きりの素材です。

研磨とは、その塗膜を意図的に削り取り、別の状態へと変化させる行為。そこには常にリスクが伴います。

だからこそ、技術者には「削れるから削る」のではなく、「削るべきかどうかを判断する責任」が求められます。

この責任感を持てるかどうかが、プロと作業者の分かれ目だとSGMでは考えています。

誇大広告ではなく「数値」と「結果」で語る姿勢

「どんな傷でも消せます」「どんな車でも新車以上にします」

このような誇大広告は、短期的には魅力的に見えても、長期的にはユーザーと技術者双方を不幸にしてしまいます。

SGMの思想はシンプルです。「できることと、できないことを正直に伝え、そのうえで最善を尽くす」
技術だけでなく倫理観も含めて育成することが、このプログラムの大きな目的です。

学び続けることでしか守れない、プロフェッショナルの誇り

一度資格を取ったら終わり、ではなく、学び続けることこそがプロフェッショナルの条件です。
車種・塗装・環境・コーティング剤・PPF・ラッピング……扱う対象は日々変化し続けています。

SGM技術者育成プログラムは、その変化に正面から向き合い、「学び続けることを当たり前にする」ための仕組みでもあります。

技術だけでなく、その背景にある哲学まで共有されることで、現場の一台一台にその思想が宿っていきます。

一般ユーザーにとってのSGMの価値とは

“SGMを学んだ技術者がいる施工店”を選ぶメリット

ユーザー目線で見たとき、SGMは何の役に立つのか。
それは、「結果が安定している施工店を選ぶための目印」になる、という点です。

SGMで学んだ技術者が在籍する施工店は、

  • 研磨の精度と再現性が高い
  • 無理な研磨を行わず、塗装寿命を守る判断ができる
  • トラブルが起きたときも理論的に原因を説明できる

といった特徴を持っています。これは、そのまま「愛車のリスクを減らす」という大きなメリットになります。

コーティング選びは「どの剤か」より「誰の技術か」

コーティング剤の種類やブランドは多種多様で、それぞれに特徴があります。

しかし、それ以上に仕上がりを左右するのは、「誰が研磨し、その上に誰が施工したか」という一点です。

SGM技術者育成プログラムは、「どの剤を使うか」ではなく、「どのような判断で、どのように塗装を整えるか」という技術者の思考そのものを鍛えるプログラムです。
だからこそ、一般ユーザーにとっても“安心して任せられる施工店かどうか”を判断する強い材料になるのです。

まとめ|研磨を科学し続ける者だけが、信頼を積み重ねられる

研磨とは、塗膜を削る行為であると同時に、オーナーの大切な財産と向き合う、非常に繊細で責任ある仕事です。

第2回SGM技術者育成プログラム in 大阪は、技術者たちに対して、

  • 研磨を科学的に理解すること
  • 数値と結果で技術を説明できること
  • オーナーに対して誠実であり続けること

という、技術と倫理と哲学の三位一体の姿勢を改めて突きつける場となりました。

これからの時代、選ばれ続ける施工店は、「磨きを感覚ではなく科学で語れる店」です。
SGMで学び続ける技術者たちは、その最前線に立ち、日々一台一台の塗膜と真剣に向き合っています。

「迷うなら“技術の証明”で選べ。SGM認定基準が示す、本当に信頼できる磨きの条件」

 

「迷うなら“技術の証明”で選べ。SGM認定基準が示す、本当に信頼できる磨きの条件」

教務SGM(スクラッチシールドグランドマスター)超技術者育成プログラムの

詳しい情報は(社)日本コーティング協会のHPをご確認ください

(社)日本コーティング協会のHPはコチラ

来月弊社代表丹下は

タイのカリスマディテーラーと対峙します

本物の方なら必ずや喜んでいただけると信じてます

それがうまく行けば

4月か5月にタイで研磨大会開催予定です

日式研磨技術と、日式評価基準がいよいよ旋風を巻き起こします

楽しみにしていてくださいね