日式評価基準に世界が注目
台湾での国際試験に技能監督官として参加しました
2025年8月25日〜29日
台湾で行われた「日本コーティング協会 3級・2級試験」に
株式会社Best One / しゃかりき 代表 丹下竜太が技能監督官として参加しました。
今回の試験は、日本だけでなく台湾・香港・マレーシアからも職人が集まり、参加者は過去最多の約100名。
世界中の注目を集めるイベントに、日本からは8名の技能監督官が派遣されました。
■ 日本から参加した技能監督官の皆さま
今回ご一緒した監督官をご紹介します。
熊本県
・(株)and CLEA/Eco Style 渡邉会長・代表取締役田中社長
・(有)中村総合企画 西原代表
長崎県
・(株)Beauly Tech Japan/Auto Style 代表取締役岩崎社長
大分県
・Monolith Base(株)/Car Glanz oita 代表取締役岩永社長
大阪府
・(有)Carmake Artpro 林英範 取締役
神奈川県
・(有)プルーフ 代表取締役徳永
広島県
(株)Best One / しゃかりき 丹下竜太(代表取締役)
計8名で試験監督を務めさせていただきました。

■ 初日:3級試験 座学(ケヰテック金子社長による講義)2初日は、金子社長による
3級試験座学からスタート
3級試験の内容が一新され、JIS規格を用いた評価方式やΔLab*色空間を使った艶の数値化など
研磨を「科学で証明する」新しい時代の内容に。
丸一日を費やした講義に、受験者たちは真剣に耳を傾けていました。

■ 2日目・3日目:2級試験(実技)台湾はもとより
香港・マレーシアなどからも約20名参加
2級試験内容
試験内容は「25cm四方に800番のペーパー目を入れ、制限時間45分以内に測色計でL*0.3以内に仕上げる」もの。
ただ傷を消すだけでなく、いかに美しく仕上げるかが評価の本質です。
実際に受験者の声としては「もっと粗い番手でも磨ける」との意見もありましたが
大切なのは“深い傷を取ること”ではなく“仕上げの美しさ”。
合格率は約60%と厳しい基準でしたが、多くの職人が新しい研磨の考え方を学びました。
試験が終わり各受験者にワンポイントアドバイスなどさせていただき盛大に終了することができました。

ここで多くの職人が疑問に思うのが、
「800番の傷を磨く意味はあるのか?」
「400番や300番でも磨けるのでは?」
という点です。
確かに傷取りだけなら可能です。しかし、私たちが本当に伝えたいのはそこではありません。
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深い傷を消すことよりも、“どれだけ美しく仕上げられるか”が重要。
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ペーパー目を消すだけでは不十分で、艶や透明感まで仕上げなければ意味がない。
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研磨とは「傷をつけて整える行為の連続」であり、その本質を理解していないと、仕上げは必ず粗くなる。
つまり、この試験は“傷取りの技術”ではなく、“仕上げの精度”を数値で証明するためのものです。
そこに日本の研磨技術の本質があると考えています。
■ 日本人試験官による実演
「本当にこの基準で磨けるのか?」という疑問に応えるべく、私(丹下)と熊本の渡邉氏が同条件で実演。
結果は制限時間内で2人とも合格レベルに仕上げ、わずか0.03の差で私が敗北(笑)。
同じ道具でも加圧やコンパウンド量、進行方向の違いで仕上がりが変わることを証明しました。

■ まとめ
今回の台湾試験は、研磨を「感覚」から「科学」へと進化させる大きな一歩でした。
参加いただいた受験者の皆様
サポートしてくださった台湾コーティング協会のイさん、テイさん、ヨウさん
通訳をしてくれた東社長、ひろくん
心より感謝いたします。
次回は 10月22日・23日 千葉IICにて1級試験 が開催予定です。
ぜひオブザーバーとしてご参加いただき、新しい時代の研磨を体感してください。